net_HTTPとHTTPSの違い

03HTTPとHTTPSの違い

先ほどWebブラウザ(クライアント)とサーバー間での通信において、HTTP(HyperText Transfer Protocol)を使用することを説明しましたが、HTTPS(HyperText Transfer Protocol Secure)というのも存在します。普段インターネットを使っていると、httpのURLでページにアクセスすると「保護されていない通信」という表示されるのに対し、httpsから始まるURLでページにアクセスすると「保護されていない通信」と表示されないことに気づいた人もいらっしゃるでしょう.そこで、今回はHTTPとHTTPSの違いについて説明していきます。HTTPとHTTPSの主な違いですが、「安全性」の面で重要な違いがあります。
HTTPは通信が暗号化されていないため、データが盗聴や改ざんのリスクに晒される可能性があります。これは、個人情報やクレジットカード番号などの機密情報を扱う場合に、特に大きな問題となります。一方、HTTPSはSSL(Secure Sockets Layer)やTLS(Transport Layer Security)といった技術を利用してデータを暗号化し、通信の安全性を高めます。この暗号化プロセスにより、通信内容が第三者に読み取られることはなく、データの盗聴や改ざんを防ぐことが可能です。さらに、HTTPSはセキュリティ証明書を使用してウェブサイトの身元を証明することもできるため、ユーザーは訪れたウェブサイトが信頼できるものであるかを確認できます。このように、HTTPSはHTTPに比べてより安全な通信手段を提供し、ユーザーとサービス提供者の双方に安心をもたらします。

TLSとSSlについて

TLS(Transport Layer Security)とSSL(Secure Sockets Layer)は、安全性の高い通信を確立するためのプロトコルです。これらのプロトコルは、クライアントとサーバー間の通信を暗号化し、セキュリティを向上させます。SSLは1990年代後半から使用されてきましたが、脆弱性が発見されたため、新たなセキュリティプロトコルとしてTLSが開発されました。TLSはSSLの後継であり、より強力で安全な暗号化アルゴリズムを提供し、より安全な通信を実現します。TLSとSSLには暗号化アルゴリズムの違いなどいくつかの違いがありますが、今はHTTPの通信がどのように暗号化されているかだけ理解していただければ大丈夫です。
以下TLS/SSLが提供する機能を表にしました。

機能説明
暗号化データが送信される際に第三者による盗聴を防ぐ
認証通信相手の身元を確認し、中間者攻撃を防ぐためにデジタル証明書を使用
データ完全性の保護通信中のデータが改ざんされていないことを保証し、安全にデータが送信されることを確認する

通信の暗号化の仕組みについて

TLS/SSLによるHTTP通信の暗号化の仕組みを説明する前に、まずは使用される暗号化技術について詳しく見ていきましょう。共通鍵暗号方式と公開鍵暗号方式は、インターネット上でデータを安全に送信するための主要な暗号化方法です。これらの方式は異なる動作原理とキーの特性を持ち、それぞれ特有の特徴と違いがあります。次に、これらの方式の主な特徴と相違点について説明します。

共通鍵暗号方式

共通鍵暗号方式とは

共通鍵暗号方式は、暗号化と復号化に同じキーを使用する方法で、処理速度が非常に速いという大きな利点があります。これにより、大量のデータを迅速に扱うことが可能です。しかし、この方式ではキーを安全に共有する必要があるため、キーが漏洩するリスクが伴います。さらに、キーの配布方法がセキュリティの脆弱点になる可能性があるため、キー管理が一つの大きな課題となります。

使用する鍵:共通鍵

共通鍵暗号方式(対称暗号方式)で使用されるキーです。この方式では、データを読めない形式に変換するプロセス(暗号化)と暗号化されたデータを元に戻すプロセス(復号化)の両方に同じキーが使われます。共通鍵の最大の特徴は、その処理速度が非常に高いことですが、キーを安全に交換する必要があり、その過程でセキュリティリスクが生じる可能性があります。キーの配布や管理の方法が、この方式のセキュリティを大きく左右します。

公開鍵暗号方式

公開鍵暗号方式とは

公開鍵暗号方式では、暗号化に公開鍵、復号化に秘密鍵を使用し、公開鍵は誰にでも公開可能で、秘密鍵は受信者だけが保持する形式です。この方式のメリットは、キーの配布が容易であり、データの完全性と送信者の認証を同時に行える点です。これにより、多くのユーザーが関与する環境でのセキュリティを強化できます。ただし、公開鍵暗号方式は対称暗号方式に比べて計算処理が重く、速度が遅いというデメリットがあります。

使用する鍵1:秘密鍵

公開鍵暗号方式で使用されるキーの一つです。キーペアは秘密鍵と公開鍵から成り、秘密鍵はその所有者だけが知っているべきもので、安全に保管されます。秘密鍵は主に、公開鍵で暗号化されたデータの復号化や、デジタル署名の生成に使用されます。秘密鍵を持つ人物だけが特定のアクションを実行できるため、身元認証やデータの完全性保譼に重要な役割を果たします。

使用する鍵2:公開鍵

公開鍵暗号方式で使用されるもう一つのキーです。公開鍵と秘密鍵はペアとなっており、公開鍵は誰でもアクセスできるように公にされます。公開鍵は、秘密鍵を持つ受信者だけが復号化できるようにデータを暗号化するために使用されます。また、公開鍵は、そのペアとなっている秘密鍵によって作成されたデジタル署名を検証するのにも使われます。これにより、データの送信者の身元が確認でき、データの完全性が保証されます。

ハイブリット暗号方式

ハイブリッド暗号方式は、公開鍵暗号方式と共通鍵暗号方式の利点を組み合わせたもので、通常は公開鍵暗号方式を用いてキーを安全に交換し、その後はこの共通鍵を使用して通信内容を高速に暗号化します。このアプローチは、キー交換の安全性を確保しつつ、大量のデータ暗号化を迅速に行うための効率的な方法を提供します。ハイブリッド方式は、そのセキュリティと効率の良いバランスから、TLS/SSLなどの現代のインターネットセキュリティで広く採用されています。

主な違い

特性共通鍵暗号方式公開鍵暗号方式ハイブリッド暗号方式
速度非常に高速比較的遅い公開鍵でのキー交換は遅いが、その後の通信は共通鍵を使用し高速
安全性キーが漏洩するとセキュリティが損なわれるデータの完全性と送信者の認証が保証される公開鍵と共通鍵の利点を組み合わせ、高い安全性を実現
キー管理キーの安全な配布と管理が課題キーの配布が容易で安全初期のキー交換に公開鍵方式を使用し、その後は管理が容易な共通鍵を使用
用途大量のデータ暗号化や内部ネットワークでの使用に適しているデジタル署名や少量データの暗号化に適しているインターネット上での安全なデータ転送、ウェブ通信に広く利用されている

HTTPS通信の暗号化の流れ

前節では、暗号化の仕組みについて学びました。

今節では、HTTPSの通信がどのように暗号化されているかについて説明します。

HTTPS通信の流れは以下のようになります。

  1. 接続要求:クライアント(例えばWebブラウザ)は、サーバーに対してHTTPS接続を要求します。 この要求は、通常のHTTPリクエストと同じ形式です。
  2. サーバーの証明書送信:サーバーは、クライアントに対してデジタル証明書を送信します。 この証明書には、サーバーの公開鍵とサーバーの身元を証明する情報が含まれています。
  3. 証明書の検証:クライアントは、サーバーから受け取った証明書を検証します。検証には、証明書が信頼できる認証局(CA)によって署名されているかどうかを、チェックされます。この検証が成功すると、クライアントはサーバーの身元を確認します。
  4. 通信に使用する鍵の生成:クライアントは、共通鍵を生成し、この共通鍵をサーバーの公開鍵で暗号化してサーバーに送信します。これにより、共通鍵が安全に共有されます。
  5. 共通鍵をサーバに渡す:サーバーは、自分の秘密鍵を使用して、クライアントから送信された暗号化された共通鍵を復号します。これにより、クライアントとサーバーは共通鍵を持つことになります。

上記の手順を踏むことで、HTTPを暗号化したHTTPSの通信が行われています。

【コラム】認証局(CA:Certificate Authority)の役割

認証局(CA)は、インターネット上での通信を安全に行うための重要な役割を担っています。CAの主な役割は、デジタル証明書を発行し、その証明書が正当なものであることを保証することです。デジタル証明書は、Webサーバーや他のエンティティが自分の身元を証明し、安全な通信を確立するために使用されます。デジタル証明書は、サーバーが自分の身元を証明し、クライアントとの安全な通信を確立するために存在しています。これにより、ユーザーは安全にWebサイトを利用できるようになります。

【コラム】ルート証明書とは

ルート証明書は、認証局(CA)自体の信頼性を保証するための証明書です。

ルート証明書が認証局(CA)そのものの信頼性を証明することで、CAが発行する他の証明書も信頼できると判断されます。ルート証明書が信頼されているおかげで、ユーザーは安心してWebサイトにアクセスし、機密データをやり取りすることができるのです。またルート証明書は、Webブラウザやオペレーティングシステムにあらかじめインストールされています。これにより、インターネット上での安全な通信が実現されます.


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